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皆さんこんにちは!
有限会社第二赤松建設、更新担当の中西です。
さて今回は
~設計~
ということで、道路舗装工事における設計の基本から応用、そして設計時に特に注意すべきポイントまでを、現場目線で深く掘り下げて解説します!
「舗装」と聞くと、ただアスファルトを敷くイメージを持たれることも多いですが、実は“舗装の品質は設計段階で9割決まる”といっても過言ではありません。
舗装設計とは、単なる厚みの設定ではなく、
地盤状況
交通条件
排水能力
材料選定
維持管理性
周辺環境や景観との調和
などを総合的に判断して設計する極めて重要な工程です。
舗装設計とは、交通荷重・地盤支持力・環境条件などをもとに、最適な舗装構造とその厚さ、材料、施工仕様を決定する設計行為です。
一般的な舗装の構造は以下のように構成されます
設計はこの構成に対して、以下の条件を加味して行われます
設計交通量(大型車の通行量)
地盤支持力(CBR値など)
地形・勾配・排水条件
使用材料の種類と供給可能性
維持管理・施工コスト
📌 つまり舗装設計とは、地盤と交通の“バランスを取る工学”なのです。
路床土質の調査(CBR値、液性限界、含水比など)
地盤の排水性、凍結深度の確認(寒冷地は特に重要)
地盤改良が必要な場合は改良方法も検討
🧱 地盤の弱さを無視した設計は、沈下・ひび割れ・早期破損を引き起こします。
年間平均交通量(大型車換算)×設計年数で累積交通量(N値)を算出
設計交通量に応じて舗装の構造グレードを選定(軽交通/中交通/重交通)
🚛 「N=1×10⁶」などの単位で表現され、Nが大きいほど構造が強固になります。
例:アスファルト舗装(中交通対応)
層 | 材料 | 厚さ(例) |
---|---|---|
表層 | 密粒度アスコン(13mm) | 5cm |
基層 | 密粒度アスコン(20mm) | 6cm |
上層路盤 | 再生クラッシャーラン | 15cm |
下層路盤 | 粒度調整砕石 | 20cm |
※路床CBR値に応じて増減あり
🛠️ 構造設計は「交通量×地盤強度×コスト×維持性」のトレードオフの最適化作業です。
表層の横断勾配(通常2%前後)による排水計画
排水側溝の設置、側溝勾配、集水桝配置などを検討
アスファルトの透水性 or 非透水性の選定
🌧️ 排水性を考慮しない舗装は、水たまり・凍結・劣化・事故の原因になります。
寒冷地では凍上抑制層(断熱材や透水層)を設計
交差点や勾配部では滑り止め舗装(開粒度アスファルトなど)を検討
騒音やヒートアイランド対策として遮熱性・多孔質舗装も導入
🌱 近年では、環境性能を高めたグリーンインフラ舗装も注目されています。
CBR値が5%未満の場合は地盤改良 or 構造強化が必須
軟弱地盤ではジオテキスタイル(補強材)の導入も有効
✅ 設計時に「地盤をどう補うか」を検討しないと、舗装がすぐ壊れます。
設計交通量が過小評価されると早期のわだち掘れ(轍状のへこみ)が発生
逆に過大評価すると過剰設計によるコスト増
✅ 設計N値と実際の車両通行量を交通量調査や自治体データで裏付けましょう。
トンネルや交差点などは打換えやすい構造が望ましい
駐車場や歩道は表層交換だけで済む構成が管理しやすい
✅ 「10年後、どう維持するか?」を想定して設計しましょう。
市街地や観光地では透水性平板・自然石舗装など景観配慮が必要
公共案件では「標準設計」に準拠する必要も
✅ 見た目と性能のバランスがとれた設計が求められます。
舗装機械の進入経路、材料搬入ルートの検討
夜間工事・交通規制なども含めた施工条件に即した設計
✅ 図面の上だけで成り立つ設計では、現場で施工トラブルの原因になります。
土量計算・舗装厚の自動設計
交通シミュレーションによる舗装損傷予測
3Dモデルでの施工計画・干渉確認
💡 “設計から維持まで”を見通した情報管理設計が標準になりつつあります。
再生アスファルトの活用(RAP)
遮熱アスファルト・カラー舗装でヒートアイランド対策
透水性舗装で雨水の地中浸透促進
🌍 舗装も“地球と共生する構造”が当たり前の時代へ進んでいます。
道路舗装は、街をつなぎ、人と物流を支える最も身近で最も大切なインフラの一つです。
そしてその品質と耐久性は、設計の段階でほとんど決まってしまいます。
✅ 地盤を正しく読み、
✅ 交通条件に合わせて構造を決め、
✅ 排水・環境・維持までを設計に織り込む
このすべてが揃ってこそ、“壊れにくく、維持しやすく、安全で美しい舗装”が完成するのです。
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